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あなたの商材の取扱説明は、だいじょうぶ?

その商品は、説明不足のために誤って使用されていませんか?

メーカーが開発時に想定した「正しい使用」をされることを前提に、あらゆる製品は市場にリリースされていきます。
でも、イラチな現代人は、だらだら書かれた取扱説明なんて読まずに、感覚的に使用を始めてしまいます。

さて、人は、誰かが設計した通りに実行してくれるのでしょうか。

Photos of the ASME Code and Standard book for installing and manufacturing elevators

Photo by Russ Ward on Unsplash


 
2020年のコロナ禍以来、「自宅でのリモートワーク体制に切り替え、ウイルス拡散防止に対応します」なんて働き方が大企業を皮切りに始まりました。

中小企業でも、リモートで対応できる部署から順に追随を始めました。
ワーカーの自宅にPCを送り込んで、zoomで繋いで会議や指示を行う、というもの。

しかしその実態は
「自宅にWiFiはおろか、そもそもインターネット引いてないんですけど」
「インターネットって、どこで買ってきたらいいんですか」
「PCの設定、自分でしたことないんですけど」

さてこんな時にこそ「手引き」が必要ですよ。
さまざまな ITリテラシーレベルの従業員への「 手引きの性能」が問われる局面です。

会社では、技術系専任部署や、ちょっとPCに詳しい人によって
〈煩雑な設定を済ましてくれているPC〉が提供されていたから
自分は提供されたログイン情報を入力さえすればよくて
おかしくなったら誰かを呼べば、誰かがなんとかしてくれていたけれど…。

さてさて、今度は全て自分でなんとかしなくてはならない。

もしあなたがリモート業務推進のリーダーに指名されたら
年配の部長から、新人、派遣、パートタイマーまで、あらゆる従業員に対して
言葉+(せいぜいポンチ) 〉を使って、安全なリモート操業体制を導けますか?

■ 人を思い通りに動かす ■
なんて言うと、意識高い系のマネジメント側の人が読む本のタイトルのようですが、トリセツや◯◯マニュアルの類いは、本来

・誤解を生まないようにガイドし
・読んだ人が、誤解なく、正しく行動する

ための手引書なのです。

簡単にさらっと「そんなものです」と書いてしまいましたが、それは実に奥深く、険しい道程なのです。

・営業マンが、商材の潜在顧客に興味を持たせ、反応させる
・メーカーが、混乱したユーザーに使用説明をする
・社内の事務作業手順を、新人担当者に手引きする
・顧客サポートが、顧客のクレームに正しく対応する

とりわけトリセツは、一方的に説明して、間違いが無いよう手引しなくてはなりません。
できることなら「 なに書いてあるのか、ぜんぜんわからへんやん(怒」などと、忙しい最中に電話してもらいたくないわけです。そんな電話は、窓際で新聞読んでるふりして、こっそり昼寝している課長にできれば変わってほしいわけです。

だから、全社をあげて 「わかりやすいトリセツ」の説明性能アップに取り組んでいかなければならないのです。
 

PL法が変えた「メーカー責任」のスタンダード

なんで言うてくれへんかったん?

「製造物の欠陥」とは何か、欠陥品の責任主体は誰にあるのか

Photo by Obi Onyeador on Unsplash


 
製品の欠陥が原因で消費者に損害が生じた際の、メーカーの損害賠償責任は、それまでとても曖昧でした。明治時代に制定された民法の複数の条項を駆使してもなお、どうしても企業側に有利に運ばれてきたのでした。

この「PL法:製造物責任法」は、 消費者保護を主とした目的です。
保護される被害者の範囲が エンドユーザー:個人だけでなく、企業が使用するさまざまな物品の設計・製造を原因とする瑕疵により受けた損害を賠償する、つまり エンドユーザー:法人が、メーカーを訴えることもできる法なのです。

一概に「製造者」といっても、素材や部材メーカー、製造・組立メーカー、加工業者、輸入した者など、消費者の手に渡るまでの間に様々な役割の会社の手に渡ります。
またOEM製造品、プライベートブランド品では、誰がどのような責任を負うのか。PL法では、民法に比べ、より明らかに定めるようになりました。

ここで、メーカーに課されたのは、 設計上、製造上の欠陥(通常持っているべき安全性の欠如)のみならず、通常予測されるような使用のされ方を基に

「こんなふうに使うと、こんな危険がありますから、くれぐれも気をつけてくださいね」
くらいでは生ぬるく 
  ↓
「ぜってーそんなことするんじゃねーぞ、怪我するぞ、わかったか」

くらいの強い 禁止指示・警告表示をする義務を怠っていたとすれば

「なんで言うてくれへんかったん?」と、
あとから言ってくるモンスター消費者を法的に保護するぞ、って世界を切り拓いてしまったわけです。

製品のパッケージやトリセツに、きちんと 明示されていたか
誰でもが読めるサイズの文字で記載していたか

そのような配慮がなされていない製品は、重大な事件が起こってから 欠陥の烙印を押されてしまう可能性がある、ということを肝に銘じて 製品力を高めていかなければならない時代になったということです。

ここでいう「製品力」というのは、正しく使用されたり、使用する際に想定される 利用者への危険をきちんと注意勧告できるチカラです。

「良いもの」は、競合製品より高い性能を発揮するだけでなく、 周知のリスクから危険回避する勧告ができる性能も含めた「性能の総体」と言えます。