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編集のデザイン

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みんなの部活を「編集」でサポートします

部活は、放課後の遊び・レジャーではなく(もちろん楽しいことが根本にあります)
教科書からは学べない「学び」がたくさんあります。
 
教室のクラスメイト・同級生と関わるだけでなく、
クラブの構成員になったら、ひとりの部員を取り巻く世界はぐーんと拡がります。
 
◎先輩・後輩との上下関係
◎顧問教諭・監督・コーチとの関係
◎コーチを支え、個別指導やサポートをしてくれるOB・OGとの関係
◎部活動を陰ながらサポートしてくれる父母会との関係
◎地域の部活を見守る商店さんとの関係
◎学校を超えて、ライバル校チームとの関係
◎市内・県内の連盟団体との関係
 
クラブは、ひとりで黙々と技術向上に向き合うだけでなく、さまざまな大人に支えられ、貴重な体験ができる「場」です。

関西の高校音楽系クラブは、私立公立あわせて約1,260部。
なかでも吹奏楽・軽音楽・合唱は、人気が高い音楽系のクラブです。
 
なかには創部100年を超える歴史あるクラブもあります。
 
クラブが100年途切れることなく運営されるには、指導者の熱心な指導やカリスマ性、求心力だけに頼っていては、なかなか難しい。
 
卒業したOB・OGを組織化(縦線)し、現役生の父母の組織化(横線)、現役チームをサポートする仕組み(指導陣と縦線・横線のつづれ織り)づくりがあって、ようやくどうにか継続しています。
 
戦争や天災など、自分たちにはどうすることもできない社会状況下でも灯火を絶やすことなく、毎年の活動を刻みつづけてきた大いなる営みの賜物と言えるでしょう。
 
少子化の流れで学校が統廃合されていく時代に、クラブ組織が100年続くって、スゴイことですね。
 

文化部活動のガイドライン

中学校・高等学校の生徒がさまざまな活動に取り組むきっかけとなり、豊かな人材育成の場として、ニッポンの【部活動】はスポーツや芸術活動の振興を支えてきました。
 
部活動の在り方について、近年の様々な議論を踏まえ、スポーツ固有の課題も含め議論が交わされ、平成30年3月、スポーツ庁によって「運動部ガイドライン」が策定されました。
 
この経緯を踏まえ、文化庁は「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」を平成30年12月に策定。
 
ここで対象となる部活動は、運動部以外の生活文化、自然科学、社会科学、ボランティア、趣味活動等を含めた文化部活動としています。
LinkIcon 文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(文化庁/2018年12月)
◎新しい中学校学習指導要領(平成29年3月告示、平成33年4月施行)
◎新しい高等学校学習指導要領(平成30年3月告示、平成34年4月施行)
においても

「学校教育の一環として」行われるものであり
「生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養(かんよう)等、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するもの」

と明記しています。
 
以下、細枠線内は引用

異なる年齢との交流のなかで、生徒同士、生徒と教師等指導者との好ましい人間関係づくりを図ること。
生徒自身が活動を通して自己肯定感を高めるなど、多様な学びの場として、部活動の様子の観察を通じて生徒の状況理解もふくめ、教育的意義は高い

と記されています。
 

「学校教育の一環として」行われるものである以上、教育課程外の学校教育活動と教育課程の関連が図られるように留意するものとする。

ここで言われている「関連」とはなにか、具体的にイメージできません。
 
教科書に書いている内容と、課外活動内で指導される、より高度な内容とが乖離していることを許すまじ、ということを示しているのか?
 
あるいは、課外部活動で指導される内容と、教育課程で指導される内容とが真逆のことを教えていることが無いよう留意されたしという意味なのか?
 

教育的意義は部活動の充実の中のみで図られるのではなく、教科や特別活動をはじめとする教育課程内の活動との関連を図る中で、その教育効果が発揮されることが重要である。

(そうかなー?)
いったい何がいいたいのか、もごもごしている感が気味悪いです。
 

大会・コンクールへの過度な傾倒

朝練・昼練・夜練と一日のほとんどを占める長い練習時間(大半が自主練習)
土曜・日曜・祝日も練習・リハーサル
地域の催しなどへの依頼出演
 
成長ざかりのこの生徒たちは、いつ勉強して、いつ就寝しているのでしょうか。
 
まるでプロの芸術家や著名人のように、365日クラブ活動に学生生活のすべてを捧げるようなスケジュール。
 
モチベーション高く、部活生活をエンジョイできる人もいますが、体調に支障が出たり、うつ傾向が発症したり、健全な学生生活が送れなくなってしまう人も少なからずいます。
 

部活動の一部には、長時間の活動を行ってきた状況もあるところ、生徒の自主的、自発的な参加となるよう生徒が参加しやすいよう実施形態などを工夫するとともに、生徒の生活全体を見渡して休養日や活動時間を適切に設定するなど生徒のバランスの取れた生活や成長に配慮することが必要である。

 
昭和から平成にわたり、全国大会をめざしてきたクラブは、指導者が先頭になって生徒を鼓舞し、日本一をめざしてきました。
 
がんばって指導者についてきた生徒も、地域の商店街のおじさんおばさんも「オラが街の自慢のクラブ」とばかりに支援声援を惜しまない、いい関係が生まれたことも事実です。
 

文化部活動の多様性

技術向上、大会での好成績以外の、生徒の潜在的ニーズというものに耳を傾けてみることも大切です。
 

  • 友達と楽しくできるだけでいいのに…
  • 適度な頻度で参加できればいいのに…

 
参加しやすい、多様なレベルの文化部活動を求めている生徒は少なくありません。
 
戦後日本の経済成長を支えた「モーレツ」時代の働き方のように、学生生活の3年間をすべてつぎ込む「モーレツ」な練習量を底支えにして地区大会を勝ち抜けていく強豪クラブがあります。
 
またその一方で、平成から令和にかけて、産業界でも「ワークライフバランス」の考え方がじわじわと浸透して、大人たちの働き方も変化しています。
 
生徒たちのクラブに対する意識も
▶勉強とクラブのバランス
▶学校生活と私生活のバランス
をうまくとった学生生活を志向することが、正しい暮らし方なのだ、と変化しているように思います。
 

少子化が生んだ、クラブが成立できない事情

少子化にともない、単一校でクラブを組織できない、大会に出場する編成条件をクリアできないことが、文化部に限らず起こっています。
 

「持続可能な運営体制が整えられるようにするものとする。」
として、一定規模の地域単位で運営を支える体制を構築していくことが長期的には不可欠である。
学校と連携しながら、学校や地域の実態に応じ、教師の勤務負担軽減の観点も考慮しつつ、
学校職員として部活動の実技指導等を行う部活動指導員をはじめとしたスポーツや文化及び科学等にわたる外部指導者や地域の人々の協力、
体育館や公民館などの社会教育施設や博物館、美術館、劇場、音楽堂等の文化施設、社会教育関連団体、芸術文化関係団体等の各種団体との連携
などの運営上の工夫を行うこと

うーん、一文が長すぎて、なにが言いたいのかわからない。文科省が出す文章がこのお粗末。
「『日本語スタイルガイド』くらい読んどけ」と文科省に言いたい。
 

教師が文化芸術を指導する限界

要は、教師の負担にならない程度に運営しなはれ、
外部の専門家の手も借りて運営しなはれ、ということ。
 
教師は、文化芸術分野に秀でた専門家でもなければ、文化芸術分野を指導できる素養も保有していない人がほとんどであるから、
近隣の専門家が集う文化芸術施設などの協力を得て(教師の代わりに)指導してもらえないか画策しなはれ、とガイドラインが言っているように読めます。
 

地域連携により部活動を支える

閑古鳥が鳴く公共文化施設があり、その近隣の学校では練習場が確保できない部活がある。
 
公共文化施設には市内の芸術団体が拠点を置き、市内の芸術家が通うものの終日盛況とまではいえない程度の稼働率。
 
一方の部活動では、専門の指導者は不在。
部活動の内容をあまりよく知らない顧問の指導によって、自分たちでどうすれば技能向上できるのか、今ならインターネットで調べながら日々練習メニューを模索し実践しているクラブも多いです。
 
インターネットにあふれる玉石混交の情報から、正しい練習方法だけを選択することは、子どもたちには難しいことです。
 
生徒によって行き詰まっていることが個別で違うのに、生徒ひとりづつを観て正しく指導するには、やはり経験者+指導できるスキルを保有する専門家の指導が望まれます。
 
学習塾でも、ポイントを得たマスプロ授業の良さもありますが、生徒ひとりひとりの苦手箇所の克服は、個別指導が合理的で効果が高いことと同じです。
 

学齢期の子どもたちについては、幅広い体験の機会が充実することや家族や友人等との関わりの中で「生きる力」を培うことが望まれるところ、
部活動への過度の傾注はこのような体験の妨げになりうることも考えられる。

 
弊社は、文化部活動でも「生きる力」を培う機会は少なくないと考えています。
 
生徒たちが考え、企画し、実行する部活動が、無理なく、持続可能なカタチで文化部活動が運営できるようにサポートします。
 
いま企業が直面している経営課題に、学校の文化部活動も同じように向き合っています。
 

企業が取り組む経営課題 部活動組織が向き合う運営課題
組織の経営企画 部活動によって何を学び、何をめざし、何を生んでいくのか(クラブのアイデンティティやドメインの制定)
働き方改革 部活動と私生活のバランスがとれる、持続可能な活動内容の模索
脱ブラック

お互いが相手を思いやる、健全な人間関係の構築

生産性向上 合理的な練習方法を取り入れ、脱根性論へ
成長戦略 技術・技能向上のための方策(外部専門家による指導、講習会参加)の検討
技能継承 技術・技能の育成・伝承(メンバー同士で向上できる仕組みの導入)
リクルーティング メンバー集め、広報活動(校内、校外、地域)
後継者問題 先輩から後輩へ有形無形の伝承、卒業後の関連づくり
資金繰り 活動費用の捻出方法(活動対価を生む実践、活動を支援する組織の編成)

 
生徒たちはそれぞれに、
・部活動が存続するためにどうしようか、
・部員のお小遣いから集める部費だけでは賄えない活動費用をどう工面していけばいいのか
・来年度のメンバーを集めるために、何をすればいいのか
 
企業が直面する経営課題と同じ[ヒト・モノ・カネ]の課題に向き合っています。
 

  1. もぅ、めんどくさいから、もういいか
  2. なんとかして向上したい、構想を実現したい

 
生徒たちがどちらを選択するか、ココこそが「生きるチカラ」を醸成できる場ではないでしょうか。
 
「あっ、そうか、あきらめちゃったのか」
「しかたないね」で片付けてしまえるのもクラブ活動です。
 
でも、周りの大人がナビゲートできる方策は無いものでしょうか。
 
吹奏楽や合唱のように、大会で優秀な成績を獲得することもすばらしい目標ですが、地域の行事に参加して大勢の方の目に触れてもらうこと、自分たちが考える理想を社会にアピールできて、ちょっとだけ世間の意識を変えるような活動…など、小さなスケールで実現可能なことはありそうです。
 
自分たちが「それ、オモシロイかも」と思ったことに、果敢にチャレンジしてみることは、心の底から湧き上がるモチベーションに、経験したことのないウキウキ感情に自分でも驚くことでしょう。
 
学校内だけの発表でおしまいにせず、校外地域の人を巻き込んで(参加してもらって)いっしょに楽しむ場をつくる、参加することは、文化部活動だからこそできることではないでしょうか。