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アドバタイジング(広告)の
コミュニケーションデザイン

広告は「広く告知」するのです。

AIDMAの法則、今やオールド・ファッションですけれど…。

広告宣伝に対する消費者の心理プロセスを示した「AIDMAの法則」に依りますと、広告でのアプローチは〈Attention〉の認知段階です。
顧客の注意を引き寄せ、次のプロセス〈Interest〉すなわち、商品を訴求して関心を寄せてもらわなくてはなりません。
 

AIDMAの法則は、1920年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏により提唱された考えですが、90年経った今でも、消費者へのファースト・アプローチは〈Attention〉です。
AIDMAの〈M〉は、提唱当時は〈Memory〉でした。〈D=購買欲求〉を喚起した後は「記憶」にとどめておいてもらわないといけない、という尤もな理由です。
当時は今と違って、世の中はもっと悠長に流れていましたから、きちんと記憶に残っていれば、売り場で購入〈Action〉してくれるはずだ、という考えでした。

 
インターネットでの購買行動プロセスでは〈AISAS〉モデルが、AIDMAと対比されて提唱されていますが、リアルな社会での購買行動でも、やはり初めは〈Attention=注意・注目〉です。
 

読みにくい場合は、画像をクリックすると拡大して表示します。


とにかく「注目!」してもらうための〈露出〉

この段階での顧客の意識ステータスは「まだ知らない」状態です。
なので、この意識レベルの顧客を動かすためのコミュニケーション目標は〈 認知度を上げる〉ことです。
 
〈みんなに知ってもらうこと〉が広告の目的ですが、メッセージを360°全方位に掃射するために都合の良い、誰もが接触していたメディアが過去の時代にはありました。新聞やラジオ、テレビなどです。
 
しかしながら、インターネットがインフラになってしまった情報過多時代には、みんな忙しくてテレビの前でじっくり番組を観られなくなりました。テレビが点いていても、その前でパソコンやケータイで捜し物やおしゃべり・メールをしているのは、どこの家庭でもありふれた、今や日常の風景ですよね。
 
みんながお茶の間で同じTV番組を観ていた時代の、360°掃射伝達(これを “Broadcast” といいます)をしても、伝わっていきません。テレビの前にいても「聞いてやしない」のです。みんな個々の関心に沿って、違う行動をしているのです。
そんな時代には、コミュニケーションの設計から変えていかないといけません。
 
scope

興味のない人より、興味のある人にたくさんコンタクトするほうが効率的ですね

商品やサービスの購買対象者(ターゲット)に認知してもらうためには、ある程度の〈露出量〉が必要です。
あなたがどんなに聲高に「世界の中心で」叫んでも、そばにターゲットがいなければ伝わりません。
 
〈認知度を上げる〉ために、広く360°に伝播するよう伝えることよりも、興味のありそうな対象に焦点を絞って告知していくほうが、伝えるコストが効率的に使えるということも考慮しなくてはならなくなってきました。
 
ターゲットの行動範囲で待ちかまえるように、のぼりを立てたり、ポスターやチラシを設置したりして目に触れる機会を増やすのです。
人間は実に様々な場所に現れます。注目させたいターゲットの行動特性を把握することは、とても大切です。

メディア計画

クライアント(依頼主)からコンシューマ(消費者)へ《注目》させるのが「4匹の侍」なかでも【アドバタイズ侍】なのだ

街中には広告媒体は溢れていますが、費用の張るのもまた広告媒体です。
闇雲にあちこちの媒体スペースを購入して宣伝しまくるのも、裕福な企業ならできますが、なかなかどうして、今はそんな時代ではありませんね。
 
ここはひとつ、知恵を絞って、できるだけ少ない費用で最大の効果を生むように考えなければなりません。

表現計画

「うまい、さんま!...山田鮮魚店」とメッセージを完結させるだけでは、なかなか人を動かせません。旨いさんまなら、三軒となりの「さかなの田中屋」でも同じくらいうまいさんまが買えるかもしれない。
となりのさんまと何が違うのか、どんな得を与えてくれるのかを表明しなければ、一円でも安いお店にお客様は流れていってしまいます。
虚偽を言うのはウソつきになってしまいますが、「うまい言い回し」がとてもチャーミングに聞こえることがあります。
また、まったくその気が無かったのに「今日はさんまを焼こうかしら」と、需要を喚起してしまう表現もあります。
 
「さかなの田中屋」さんの前を通った時には、ロールキャベツにするつもりだったのに、山田鮮魚店の宣伝貼り紙を見て突然、こんがり色がついたさんまから煙のあがる音つきのイメージがポンっと現れて、つい「4匹ちょうだい」と言ってしまった…なんて展開。実際にありそうですね。
 
「買ってください」と一方的に連呼するより、よだれを呼び起こす、その気にさせるためにどうメッセージするかを考えるほうが、購買に直結することもあります。これも《コミュニケーションのデザイン》です。

自分でもできる告知活動、でも…

今この時代なら、インターネットで誰でも、お安く(ほとんど無料みたいな費用で)、いつでもすぐに更新できる個人色の強いメディアがありますね。個人のホームページ、ブログ、SNSなどなど “CGM=Consumer Generated Media”と呼ばれる自分メディアです。
人気のあるCGMなら、1日に数千人が覗きに訪れるようなサイトもあります。
 
でも、誰もがそううまくは行かないのですね。実際は「今日は2人訪れたみたい…」というサイトが大半だと思います。
 
では、繰り返し訪れたくなる「魅力」とは、なんでしょう。
それは、次々と更新されるコンテンツが、常に来訪者の期待を裏切らないこと。
そして実は、これが一番難しいことなんです。
 
どんな腕の立つ芸人さんでも、常に「ドッカン、ドッカン!」大爆笑を取り続けるようなことが、どれほど困難なことか、想像するとわかると思います。
 
ブログやSNSを始めた頃は、レスがつくことが楽しくて毎日のように更新しますが、すぐにネタ切れしてしまいます。ネタの切れ目は、レスの切れ目。そのうちに更新しなくなってしまいます。数ヶ月以上放置されたままのCGMコンテンツがどれだけあることでしょう。


広告を考える前に、するべき最も大切なこと

 
あなたのビジネスを成功に導くための第一歩は、あなたからあなたのビジネスについて、たくさんお聞きすることです。
 
都合の良いことばかりでなく、むしろ「ここはうまく行かへんねん」という〈弱み〉こそしっかり理解して、あなたのビジネスに向き合いたいと思っています。
 
並の体格で、脚力もそんなに速くない選手が集まったフットボールチームが、選手層が分厚い全国大会常連校と戦う際に(試合まであと2週間しかない!)、弱いまま相手に勝つためにできること。
 
相手校の弱みを見つけ、弱いところを徹底的に叩いて、動揺を誘い「あれ?どうなってんねん?あれ?あれ?」と修正できない間に勝ち抜けるような作戦しかありません。
 
敵を知り、綿密に作戦を立てて(弱いまま)作戦を実行する。これが弱者の広告戦略です。
こんな作戦で、弱者が王者を負かすなんて、こんな痛快な勝ち方はありませんね。
 
会議室で

この広告案、うちの部長ならきっと◯◯って考えるやろなー。
せやから、せっかくの提案やけど、□□方向に修正して、もっぺん持ってきてもらえへん?

こんなことを繰り返している暇は、スモールビジネスにはありません。
大企業では決定に2週間かかる決定を、さっさとカタチにして実行できるのは“スモールビジネスの強み”です。
 
社長さまとじっくり話して、経営者として判断、
そして競合がもたもたしている間に、さっと実行する。
 
こういうことができるのも、スモールビジネスなのです。
そろそろ個人ブログから卒業して、スモールビジネスの集客につながる広告・広報をいっしょに考えていきませんか