スタートアップ、
「えいやぁ」で始める前に。
いつまでもおしゃべりし続けられる仲良しグループの関係が、あまりに幸せすぎて、ずーっと集まれるカフェを始めたいな…。とか
リーマンの旦那がリモートワークでずーっと家にいて、ホンマにキレそう。外で働きたいけど、どうせならこの際、大好きなクリームパンのお店をやっちゃおうかしら…とか。
農家の実家から毎月送られてくる安全な食材を、住んでる街の人に配るんじゃなくって、商売として小さな八百屋を始めよっかな…とか。
「私でも、なんかできるんちゃう?」
「やるからには、オシャレにやりたいわぁ」
「立地はええトコにせなあかんやろ」
ブランド以前に、家族が食いつないでいけるだけの利益をどう捻出していけるのか、勢いで始めてしまう前に、まず採算を考えること。
これが一番大事。
そこのわたし、90%が失敗しますんで。
あなたの商品・サービスが、求められていない
「こんなものを作ってみました、どう、買う?」自分がいいと思うモノを作ってみる。これは「Product Out」というマーケティング方式。
「こんなものなら買うのになぁ」という買いたい動機を知って、欲している誰かが買いたいものを商品にする方式を「Market In」と呼びます。
市場にないもの、誰かが対価を払ってでも手に入れたいもの。この〈ウォンツ〉を知って、それを商品やサービスにする。欲しい人にきちんと伝われば〈売れて〉いきます。
あなたが提供したい商品やサービスは、誰かに求められているものですか?
収益のしくみが貧弱
質問です。
①あなたの商品を買ってくれる顧客獲得の方法がいくつありますか。
②[商品の製造原価+販売コスト]を上回る収益性を想定できていますか。
「なんとかなるんちゃう」と勇み足で事業を始めると、ラッキーな人以外はみんな失敗していきます。
失敗したって、改善して、もっとお客様に喜んで買ってもらえる商品に仕上げていければいいのですが、ここで再チャレンジできる資金が残っているか。それが次の大問題です。
現金が足りない
手元の資金をきちんと把握して、何ヶ月後に資金が底をつくかを知ることがはじまり。経営の根幹は、資金が底をつくまでに商品が売れて、支払いを済まして、なお口座に現金が残らせるゲームです。このゲームが延々と続くのです。
スタートアップ時に、その商品やサービスのセールスがどれだけ大変か、よくわからないまま「ま、なんとかなるやろ」と甘く見ている人は少なくありません。
そう、私がそうでしたから…。
「いいものを作れば、きっと誰かが買ってくれる」なんて幻想ですからね。誰かが買ってくれる前に廃業に追い込まれます。
「セールス」は楽観視するのに、「スタート準備」は夢が拡がる楽しいときです。
お店の内装に資金を使い果たす。カッコいいホームページを作ってもらい、ECサイト、サーバ費用、イラストレーターやフォトショップもサブスク導入して、自分でできる気まんまん。
開店時には資金が底をつくものの、実績がないから銀行の融資申請も通らない。
というふうに、開業して一年以内に転落していく人の割合が90%なんです。